店番日記(2001年7月〜9月)     スタッフご紹介

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最新の日記 


9月22日(土)

 寒い。暑いと思ったら急に寒い。今日は、夏が恋しくなるほど寒かったのである。七味さんはこの寒さをてんちょのせいにして食べ物をねだっていた。てんちょは自分がろくな物を食べて無いのに七味さんには贅沢な物を食べさせている。寂しい時の気持ちとお腹がすいた時の気持ちは良く似ていて、とくに寒さは寂しさを助長するために、[寒い + 寂しい = 空腹] という七味的公式があり、七味さんは気持ちが満たされ無い時、すべての欲求を食に転化する能力があるのだ。

 台風が来たり、アメリカで大変な事があったり、世界経済のことを考えたり、小泉君の言動を評価したりと忙しかったので、またずいぶんと日記をさぼってしまった。『やまもとさん、日記楽しみにしてます。頑張って続けて下さい』と小声で励ましてくれた女の子がいた。ありがとう。

 例の事件でアメリカからの空輸が難しくなり、てんちょは船便で輸入しているところからアメリカ古着を仕入れて来た。『やっぱりことしもグランジかなあ、モッズとグランジのミックスかなあ』とネルシャツやCPOを中心に仕入れてきたようだ。ネルシャツが多いとなんだかよくあるアメリカ古着の店にみえてくる。デニムのテーラードジャケットがいい感じ。僕も一着欲しい。


9月4日(火)

 あんまり涼しい日が続くから夏なんかずっと前に終わったような気がしてくるよ。...去年なんかは10月の頭まで暑かったのに、...今年もきっと秋物が吹っ飛ぶゾ、なんて考えて恐くて秋物投入遅らせてるお店は今ごろ、しまった!天気のばか!残暑の根性無し!ってぼやいてるんじゃないかな?洋品店はスウェットとかパーカーとかのスポーツ系アメリカ古着はいつも少量入荷で、入るとすぐ売れちゃう。アメ古の定番は売れるんだけど、みんなやってるからさ、かなり厳選しないと小さいお店ではむずいんだ。大きいとこだと何でも置いちゃうけど良い物は100着中10着も無かったりする。今日来たお客さんはクルマで男ふたりで来て何にも見ないですぐに出ていった。コンビニと間違えたんだよって、てんちょは言ってた。...なるほど、そうか...。雨降って七味さんは寝てばかり、だからとってもきれいだ!


9月1日(土)

 9月になってしまった。景気は9月からさらに悪化する、言われている。その9月になってしまった。デフレが進む一方でもコストは変わらない。薄利多売できる好立地の大型店やネームヴァリューのある有名店だけが生き残るというような構図なのである。せめて家賃が値下がりすれば、と思うのだが、そうならない。地価も物価指数もずいぶん落ちているのに家賃や公共料金は下がらない。5年前のままなのだ。中小企業の経営者がたくさん死んでいる。...ウチの経営者も、...心配なのである。昨日は月末だけあって、家賃の催促や電気代の集金のヒトが来たりしたが、そのたびにてんちょはウツロな目をして床にぺたりと座り、『生きている〜不思議〜、死んでゆく〜ふし〜ぎ〜』と呟くように唄い、じっと左の手のひらを見つめていた。集金のヒトたちは『あまり無理をしないように』と七味ちゃん募金をして帰っていくのであった。成功。


8月22日(水)

 結局、台風11号は来たのか来なかったのか?どーなんだ?よくわからない。開店前は、台風の接近にワクワクしていた(不謹慎だけど)。...てんちょも懐中電灯の電池を確認したり、土豪やイカダをつくったり、非常食のカンパンをこっそり食べたりと、台風を迎え入れる準備を楽しんでいたのだ。しかし、いつの間にか雨も風も無くなり、『うーん、やっぱり夕方からがピークかな...』なんて思っていたらお客さんが『台風、どっか行っちゃいましたよ』とニコニコして言っている。『えっ、どこ行ったんですか?』とてんちょが聞いたら『どこ行ったんですかねえ、急用でもできたんでしょう』とお客さんは肌寒くなるようなボケをかましてきた。てんちょはツッコミには回りたくないという思いからか『ほんとですか?...急用って、...台風が?...子供が急に熱を出したとか、夕飯のおかず買い忘れたとか、そういう急用ですか?』などとかわす。『ええ、銀行の入金かもしれません。窓口は3時までだから...』『台風もケータイとか持ってますかね?』そんな台風ネタを二人は延々と語っていた。誰もつっこまないまま...、だらだらと...。


8月20日(月)

 明日は定休日のはずであったが、商品の取り置きをしているお客さんに石川が『明日お待ちしています』と言ってしまったために、明日も営業することになった。たった1人のお客さんとの約束を守るために休まず営業するなんて、なんと素晴らしいお店ではないかと思う。きっと僕の日記を読んで感動した心有るお客さまは明日必ずたくさんお金を持って洋品店に来るだろう。秋物も入って来てるし。...買う物がなくても七味募金をするだろう。そしててんちょはそんなお客さんには値引きをしたりタコ焼きをごちそうしたりしちゃうんだ。きっと...。


8月12日(日曜日)

 石川がびっくりしていた。何にびっくりしていたのか?それがぼくたち普通の人間には理解できない。アロエさんがひさしぶりに来てくれたことや七味さんがめずらしい昆虫を捕まえたこと、入荷したスカートやベルボがあまりにもかわいかったことなどが、まとめて石川を驚かせたらしい。


8月5日(日曜日)

 ずいぶんと日記をさぼってしまった。先週は選挙があったり、秋冬展示会があっちこっちであったりと、出かける事が多かったのである。ぼくが出掛けるときはてんちょか石川が僕の代わりに天井にもぐる事になる。

 展示会ではほとんどのメーカーが似たようなトレンド商品を仕掛けている。展示会を回っているうちに秋冬トレンド物には飽きてしまった。店に戻ると、古着のスカートやベルト、ネクタイやメンズジャケットなんかが届いていて、『やっぱり古着はいいなあ、新鮮だな』なんて思ったりする。

 ゴミ出しの時にてんちょが新聞紙を2,3枚一緒に燃えるゴミとして出そうとしたら、石川がスゴイ顔でてんちょを叱った。『ダメですよ!新聞紙は資源ゴミですよ!』石川に叱られたてんちょはシュンとして試着室に閉じこもってしまった。

 涼しくなったな。もう秋だな。...


7月16日(月曜日)

石川がウトウトしている。気持ちよさそうだ。

目をこじ開けた。しかし目覚めない。

夜眠れないのも、疲れているのも、おまえだけではないのだ!

そこで、ぱっちり目を描いたのだ。...ついでに鼻を膨らませてみた。(カーソルを置いてみて)


7月9日(月曜日)

石川が髪型を変えた。


7月6日(金曜日)

 Tシャツは何枚あってもいい。オールシーズン着れるし、真夏は汗かく度に着替えたい。


7月2日(月曜日)

 夕方のピーク時、洋品店は50人程のお客さんで溢れ、石川もてんちょも七味さんもその対応に追われ、バタバタと忙しく、そんな時にいずみ(G)とじゅん(Dr)が現れ、いずみ(G)は『なおちくんはおちりさななれてよののんねるんなからね。せくあらじゃあないんなからあ』などと相変わらずわけのわからない言語を発し、タコ焼きを喰らい、入荷したハーパンにいちゃもんをつけ、スタッフの業務を妨害するのであった。

 ピーク時を過ぎるとお客さんはひとりもいなくなり、石川も頭痛いと帰った。てんちょは七味さんとひさびさの『おさかなごっこ』を楽しんでいた。明日は休みだ。


7月1日(日曜日)

 暑い。暑すぎる。七味さんは夜遊びのせいもあって、ぐてっとのびている。石川はやっぱり遅刻。てんちょは裏で水浴び。

 洋品店、5回目の夏。やっぱり女の子はワンピースだな。ジーパンにTシャツもいいけど、やっぱり夏はワンピースだ。


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